■羅臼岳
 8/24は6時に岩尾別温泉の登山口をスタート。前日の斜里岳同様、霧雨。30分程登ると「オホーツク展望台」。ここからしばらくの間は蟻の巣がたくさんあり、熊がやってくるので注意との看板があるが、朝早くからたくさんの登山者がいるので気にすることなく通過。その後も順調に登って、大沢入口。
 いつもはここでアイゼンを付けて雪渓を登るらしいが、この時期、雪渓は上部三分の一位になっていて、しかも3つに分かれている。雪の上を歩くのは一番下の部分だけで、ここも傾斜が緩いから、アイゼン無しで登れる。上の二つの雪渓の横には登山道がでていて、結局、アイゼンを付けずに羅臼平に到着。
 ここは広いハイマツの平原で、風が吹き抜け、寒いくらい。
 ここは夏のキャンプ指定地だが、以前から熊が出るため、強固なフードストッカーが設置されている。でも、今日はたくさんの登山者が先行するので、熊は登山道には近づかないだろうと思って先を進む。
 この頃からガスが切れ、青空の元に羅臼岳が姿を現す。
 登ってきたウトロ側のオホーツク海、反対側、羅臼側の太平洋とも雲海下で見えない。硫黄岳とその手前のピークが3〜4つ雲上に顔を出している。
 
11時15分、左右が切れ落ちた狭い岩の山頂に到着。素早く記念撮影をして、下山をはじめ、羅臼平で休憩。
 さて、下ろうかと腰を上げた途端、休んでいた私達を追い越していった父親と小学校高学年らしき親子連れが、息せき切らし戻ってきた。「熊がいる」。
 近くの岩の上から見ると、50m位離れた登山道に近いハイマツの中に小山のような背中と耳が動いているのが見える。その場にいた、カップルと親子と私達の3パーティ8人がホイッスルや熊鈴を総動員して、私達の存在を知らせて追っ払おうとするが、風上側にいる熊には聞こえないのか、いっこうに動こうとしない。
 熊が少し登山道から離れたので、男性3人が様子を見ながら、少しずつ前進し、安全を確認したら、他の方を下山方向に誘導して、熊が居た位置を突破できた。
 
二つ目の雪渓の所まできて、もう大丈夫だと思った時、先頭を行く人の足が止まる。霧の中に熊のシルエットがクッキリ。場所からして先ほどの熊とは別の熊だ。
 先頭グループの人が笛や鈴を鳴らすとすぐに登山道から離れ、右岸のブッシュの中に消えたようで、先頭グループの人は、左岸よりの雪渓の上をアイゼンを付けないまま降りて行った。
 私達もそれに習うべく、アイゼンを付けている時に、フランス人のカップルが追いついて来て、事情を話すと、まもなく、中国人とシンガポール人の女性カップルも降りて来るから、待ってあげてくれとのことで、しばらくすると、そのカップルが合流したので、熊のシルエットが見えた辺りまで知人が下降して見張り、goの合図で、残りの7人が急いで安全地帯まで降りた。
 やれやれ、もう大丈夫だろうと思ったとき、先行の男性二人がこちらに向って、怒鳴っている。「熊がいるぞ!」
 霧が一瞬晴れて、登山道のすぐ脇で、食餌している3頭目の熊が見えた。先行グループは、登山道のすぐ脇に、熊がいることに気が付かないまま、通過したあと気がついたようだ。
 場所は一番下の雪渓のすぐ下で、雪解けのあとに芽吹いたばかりの高山植物を食べているようです。
 笛や鈴では埒が明かず、大声を出すもいっこうに動こうとはせずに、登山道を右や左に移動して、夢中になって食事をしている。
 時折、うるさいなあと肩越し振り向くが、攻撃を仕掛けてくる様子はない。
 熊の15m位の背後をすり抜け、30m位下で登山道に復帰し、大急ぎで安全地帯まで駆け降りたのでした。
 そのあと、樹林帯に入ればもう安全で、約1時間30分ほどロスしましたが、17時20分には登山口に無事に下山することができました。
 しれとこ村に戻り、入浴、夕食。海の幸に舌鼓をうち、就寝。
 8/25 私は女満別空港でみなさんと別れて帰りました。他のみなさんは、トムラウシへの登山へ。
 
北海道の山は雄大で、時間もかかりますが、美味しい食事と温泉つきなので楽しいです。

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